第63回例会「留学から考えるアメリカ史」お知らせ
日本アメリカ史学会会員のみなさま
日本アメリカ史学会では、「留学から考えるアメリカ史」をテーマとして、第63回例会(7月例会)を同志社大学今出川キャンパスにて開催します。なお、本例会は、関西アメリカ史研究会共催で実施されます。また、例会終了後は懇親会を開催する予定にしております。どうぞ奮ってご参加ください。
※例会や懇親会への参加については、準備の都合上、事前登録をお願いしております。下記URLからの事前登録にご協力ください。
https://forms.gle/xZUcrpRCuVD5c8NbA
※例会の開催日が祇園祭の期間と重なっており、宿泊施設等の混雑および高騰が予想されます。参加をお考えの方は、早めの準備をご検討ください。
テーマ:留学から考えるアメリカ史
日時:7月19日(土)14時~17時
場所:同志社大学(今出川校地・烏丸キャンパス志高館)
※教室については当日会場に掲示いたします。
キャンパスマップ
共催:関西アメリカ史研究会
プログラム
<司会>
戸田山祐(大妻女子大学)
<報告>
山本航平(就実大学)
「亡命者から留学生へ-20世紀転換期キューバ・アメリカ合衆国関係史のなかのアフロキューバ人」
溝口聡(関西外国語大学)
「占領下沖縄におけるアメリカ高等教育-ミシガン・ミッションに着目して」
下斗米秀之(明治大学)
「冷戦期アメリカとインドの産官学連携-インド人高度人材の国際移動とキャリアをめぐって」
<コメント>
森口(土屋)由香(京都大学)
趣旨
アメリカ史および国際関係史において、アメリカ合衆国のソフトパワーに対する関心が高まりを見せて久しい。とりわけ、冷戦期を中心に合衆国が展開した文化外交は、日本で近年顕著に研究が進展した分野である。在外公館やアメリカン・センターのような文化施設による広報活動から、学生や技術者の受け入れ、そして平和部隊(Peace Corps)に代表されるアメリカ人の海外への派遣プログラムまで、幅広いテーマの研究が蓄積されてきた。
このような研究の動向を踏まえたうえで、本企画は、合衆国による文化外交のなかでも留学に代表される海外との人的交流に焦点を当てる。1946年に開始されたフルブライト・プログラムが典型的な例であるが、留学生の受け入れと教育は、合衆国の文化外交政策において核心的な位置を占めてきたといえよう。もちろん、冷戦期以前から合衆国の教育機関は少なからぬ留学生を受け入れてきた。近現代の世界にアメリカの文化、価値観、そして技術や学知が波及していった過程で、留学や研修が果たした役割は非常に大きい。留学・研修政策の策定と実施、他の政策との相互関係、留学生自身の経験と主体性、留学生を送り出した国や地域からの反応など、多様な視点からの実証的分析と問題提起をおこなうことで、留学という視点から、合衆国の歴史を世界の他国・他地域との相互関係に着目しつつ捉え直すことが、本企画の目的である。合衆国と世界との関係が、冷戦期に成立したパラダイムから大きく変わりつつある現状を歴史的に考えるためにも、このような視点からアメリカ史を再考する意義は大きいのではないか。