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【日本アメリカ史学会編集委員会】第47号特集投稿論文募集のお知らせ

『アメリカ史研究』 第47号では、「合衆国最高裁判決とアメリカ史研究」というテーマで論考を募集します。下記の趣旨説明と投稿要領を参照の上、ふるってご応募ください。

■趣旨説明
 アメリカの歴史において、アメリカ合衆国最高裁判所(以下、最高裁)の下す判決は時代のモメントとして扱われてきた。いわゆる「ドレッド・スコット判決」、「プレッシー対ファーガソン判決」、「ブラウン判決」、「ロウ対ウェイド判決」、「バッキ判決」に触れないまま、アメリカの歴史を語るのが極めて困難なのは、想像に難くないだろう。司法権の最高機関であり、終審裁判所である最高裁は、すべての法律、規則、処分等が、アメリカ合衆国憲法に適合しているか否か最終決定する権限を持つ。「アメリカ史研究」第47号の特集テーマは「合衆国最高裁判決とアメリカ史研究」とし、こうした最高裁判決がアメリカ史において持つ意義について改めて考えてみたい。
 最高裁の判決は、それがアメリカの政治、社会、そして文化に対して持つ影響の大きさゆえに、歴史学においても重要な分析対象となってきた。例えば、最高裁による判決は、人びとの権利を、合衆国憲法に照らし合わせ、公的に承認する営為として機能する。つまりそれは、疎外され、周縁化され、差別されていた人びとの経験にあらためて光をあて、かれらの権利がどのような文脈で剥奪され、差別が受容されてきたのか調べ共有するのを促すのである。無論、最高裁判決は、諸刃の剣でもある。だが、歴史学者は判決の限界について議論することを通して、マイノリティが晒される差別とそれを是とする社会のなりについての分析を重ねてもきたと言えるだろう。
 昨今この最高裁の性格が大きく転換している。近年、私たちはマイノリティへの権利を認めてきた、あらゆる分水嶺的な判決が覆されるのを目撃してきた。人工妊娠中絶、アファーマティブアクションなどに関する判決において、マイノリティに認められたはずの権利を改めて否定する、従来とはベクトルが異なる判決がなされてきたのである。最高裁判所判事の党派化――とりわけ保守派の勢力の拡大――などがその理由として指摘されてもいる。
本特集が企図するのは、こうした最高裁の転換のわけを明らかにすることでも、さらには最高裁判決そのものの判例分析でもない。目指すのは、最高裁判決が――間接的にそして直接的に――持つ、あるいは持ってきた歴史的意義についての検討である。最高裁判決は、何を起こしたのか、何をもたらしたのか、何を明らかにしたのか、何を隠したのか?昨今の研究は、最高裁判決についていかなる読み直しを迫っているのか?そして、それが私たちに問いかけてくることは何か?さまざまな角度――社会、差別、権利、外交、環境、記憶――そしてスケールからの考察は、アメリカ史に対する理解を深める機会となるだろう。同時に本特集は「正義」の歴史を共有するための話題提供に貢献しうる。ソーシャルメデイアの普及により、匿名の「正義」が横溢している。そうしたなか、法の下での正義についての実証的な歴史分析が、アメリカ史を教える道具として果たしうる役割は決して小さくないはずである。会員諸氏からの多様な、そして大胆な論考を歓迎したい。


■特集投稿論文の要領
1)投稿資格
日本アメリカ史学会の会員
2)制限枚数
  本文・脚注ともに1ページ 43字×38行で 17ページまで 注・図表を含む(厳守)
  (英数字は2文字で、かな1文字と数える。)
3)期限
  完成原稿の提出 2024年2月2日(金)必着
4)注意事項
①完成原稿は、メール添付によりMSワードあるいはPDF形式のファイルの形で編集委員会Eメールアドレス(下記)に送付し、同時にハードコピーを学会事務局に郵送してください(期限厳守)。なお、編集委員会からの受領通知を必ずご確認ください。
編集委員会Eメールアドレス: editors_at_jaah.jp
事務局住所:日本アメリカ史学会事務局
〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル
株式会社毎日学術フォーラム内

②原稿には表紙をつけ、そこに、投稿者の氏名、所属、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス)を明記してください。査読の公平性を保つため、論文本文にはタイトルのみを記し、氏名等は記載しないでください。
③原稿は横書きとします。原稿のフォーマット等に関しては、日本アメリカ史学会ホームページに掲載の執筆要項にしたがってください。
④完成原稿は、編集委員会が審査し、その結果をすみやかに投稿者に通知します。

『アメリカ史研究』編集委員会

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2023年09月19日 12:19に投稿されたエントリーのページです。

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